Web集客の5ステップ:小さな事業者におすすめの全体の流れを設計する方法

製造業・技術サービスのWeb集客で、「記事や広告を増やしても問い合わせにつながらない」と感じていませんか?

原因は、個々の施策ではなく、顧客がサービスを知り、比較し、問い合わせ、利用を続けるまでの「全体の流れ」にあるかもしれません。

本記事では、Web集客を5つのステップに分け、各段階で顧客が迷う理由と、用意すべき情報を見つける方法を解説します。機械部品加工を例に、予算や人手が限られる事業者でも、改善箇所を絞り込める考え方を紹介します。

目次

Web集客は「全体の流れの設計」から始めよう

記事、広告、営業資料にはそれぞれ役割があります。施策を増やす前に、それらが顧客のどの疑問に答えるかを確かめます。

顧客がどこで自社を知り、何を確かめてから相談するかを一度並べると、説明が足りない箇所を探しやすくなります。

全体の流れを考える前提として、誰にどの価値を届けるかが曖昧な場合は、先に顧客選びと強み作りを整理すると進めやすくなります。

予算や人手が限られる場合は、全ページを一度に直そうとせず、顧客が迷う段階を一つ選んで確認します。

例えば、サービス紹介ページへの問い合わせが少ないとき、原因は文章だけとは限りません。そもそもページが見つからない、比較に必要な情報が足りない、相談前の準備が分からないなど、複数の可能性があります。

まだ情報収集の段階にいる方には、問い合わせだけでなく、選び方の記事や、見積り前の準備資料を用意する方法があります。すでに具体的な相談がある方には、問い合わせの入口も残します。

社内にある製品資料や営業資料をWeb記事へ展開する場合は、「製造業の製品資料・営業資料をWeb記事にする方法」も参考になります。

大切なのは、問い合わせを一律に資料ダウンロードへ置き換えることではなく、検討段階に合う選択肢を用意することです。ダウンロード数と問い合わせ数は異なる行動の件数なので、その増減だけで成果を比較しないようにしましょう。

継続的な情報提供を希望する方には、利用目的を伝え、希望した方法・頻度で案内します。資料を読んだ方全員が営業連絡を望んでいると決めつけず、記事だけで必要な情報を得られる選択肢も用意しましょう。

5段階は施策を増やすためではなく、見つけてもらう前、比較中、相談後のどこに説明不足があるかを切り分ける道具です。次に、各段階で顧客が確かめたいことを見ていきます。

Web集客の課題を5つのステップで整理する

ここでは、お客様との関係を「認知・興味」「行動・比較」「購買」「利用」「継続」の5段階に分けて考えます。必ずこの順に進むわけではありません。特に法人取引では、複数人で比較したり、前の段階へ戻ったりすることも想定しましょう。

  1. 認知・興味
  2. 行動・比較
  3. 購買
  4. 利用
  5. 継続
認知・興味から継続まで、顧客の疑問と用意する情報を対応させた5段階

図は顧客の検討を5つの切り口で見たものです。各段階で顧客が確かめたいことと、自社が提示している情報を対応させます。不足がある箇所から確認しましょう。

① 認知・興味

認知の段階では、必要としている相手に自社の対応範囲が届いているかを確かめます。

問い合わせが少ない原因には、そもそも見つけられていない、対象とする相談が分からない、現時点では必要がないなど複数あります。機械部品加工なら、材質・加工方法・数量・対応が難しい条件を、探す側の言葉で示すことから始めます。

② 行動・比較

検索から来る人には、扱える材質や加工方法を見つけられる見出しが必要です。紹介で訪れた人にも、対応範囲を確認できるページが役立ちます。

要求精度、検査方法、数量、納期などを確認できる情報を用意し、公開できる条件と個別確認が必要な条件を分けます。比較や社内説明に使える根拠を示すことが大切です。

③ 購買

ここでの「購買」には、見積りの相談から仕様確認、発注までを含めます。依頼に必要な図面、材質、数量、希望納期、検査条件などが分からないと、相談を始めにくくなります。公開ページには準備する情報と連絡先を示し、図面など機密資料の送付方法は個別に案内します。

④ 利用

加工品を納めた後も、検収の基準、問い合わせ窓口、仕様変更や不具合があった場合の連絡手順が分かると、発注側は確認しやすくなります。納品時に渡す資料と連絡方法を、取引条件に合わせて明確にします。

⑤ 継続

次の発注時には、前回の図面・仕様をそのまま使えるか、数量や材料の変更に対応できるかを確認することがあります。再注文時に必要な情報と、条件変更時の確認窓口を示しておくと、発注側の準備を助けられます。継続取引を前提に連絡を強いる必要はありません。


では、自社の流入経路と顧客の疑問に当てはめ、情報が足りない場所を見つけてみましょう。

課題を見つけ出すシンプルな方法

一つの流入経路を選び、①どこから来たか(経路)、②その時点で何を確認したいか(疑問)、③実際にどのページ・資料・窓口を使ったか(行動)を分けて記録します。答えが見つからない箇所と改善案を対応させましょう。

重要なのは、お客様の目線で仮説を作り、問い合わせ内容や商談での質問などと照合することです。「こう思っているはず」と決めつけず、実際に聞いたことと推測を分けて記録しましょう。

マーケティングでいうカスタマージャーニーを、まず一つの経路と一つの顧客の疑問に絞って使うイメージです。

検索で見つけた人と、紹介後に社名で訪れた人では、最初に知っている情報が異なります。まず実際の相談でよく見られる経路を一つ選び、情報が足りない箇所を確認します。複数の経路は、必要になってから順に見直せます。

下表は、機械部品の加工を受託する会社を想定した説明用の例です。実在する顧客の実績や改善効果を示すものではありません。自社の場合に置き換えて考えてみてください。

段階・顧客の疑問不足しやすい情報用意する情報の例
認知・興味:この材質を加工できる会社はあるか対応材質・加工方法が分からない対応範囲と、対応が難しい条件を説明する記事
行動・比較:要求精度や検査に対応できるか対応条件・検査方法・実績の根拠が分からない公開可能な加工例、検査方法、打合せで確認する条件
購買:見積りを頼むには何が必要か必要な図面・数量・希望納期が分からない見積り依頼時の準備リストと相談先
利用:仕様変更はどう連絡するか連絡手順や確認事項が分からない変更時の連絡窓口、図面改訂の確認方法
継続:次回も同じ条件で発注できるか再注文や条件変更時の確認方法が分からない再注文時の情報と、条件変更時の確認案内
  • 経路:検索、紹介、既存顧客からの再相談のうち、今回点検する入口を一つ決めます。
  • 疑問:「この材質は加工できるか」「検査記録を出せるか」など、実際に聞かれた質問と推測を分けて書きます。
  • 行動:記事、設備一覧、問い合わせ窓口のどれを見たか、商談では何を確認したかを記録します。

例えば「比較」の段階で要求精度への対応可否が分からないなら、記事を増やす前に、対応範囲と検査方法を整理します。公開できない図面や顧客名を載せる必要はありません。公開可能な条件と、個別相談が必要な条件を分けて示しましょう。

品質についても「高品質」とまとめず、管理対象・工程・測定・記録に分けると、比較する側が確認しやすくなります。書き換え例は「「高品質」という言葉を使わずに品質を伝える」で紹介しています。

確認した経路・疑問・行動を対応させると、初めて訪れた人にも既存の取引先にも、どの情報を用意すべきか考えやすくなります。


問い合わせ前に、判断に必要な情報を用意する

「気軽にお問い合わせください」だけでは、対応可否を知りたい人も、具体的な見積りを頼みたい人も、何を送ればよいか判断しにくい場合があります。

材質・加工方法・数量などの一般条件はページで示し、図面や公差など個別条件が必要な相談には連絡方法を明記します。機密資料の扱いは、公開ページで一律の送付を求めず個別に案内します。

最初の一歩は、直近の問い合わせや商談で繰り返し聞かれた質問を一つ選び、その答えがサイト内で見つかるかを確かめることです。不足が見つかったら、既存ページへの追記、記事、資料、問い合わせ案内のどれで補うかを決めます。記事を新たに作る場合は優先する記事テーマの選び方で制作順を決め、記事の入口と出口の設計で次の情報への導線を整えましょう。


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